カヤックのバックベルトは、背もたれじゃない。

 カヤックのバックベルトを「背もたれ」だと誤解しているひとがいる。
骨盤を立てて座るために、バックベルトをぎゅうぎゅうにしめてる、とか。
意外に多いように思う。

ジャクソンカヤックのボートは、両側についているヒモを引っ張って調整する。
あのヒモがしょっちゅう切れているひとは、要注意だ。

ちなみに昔のリバーカヤックには、バックベルトがついていなかった。
あったとしても、シートからちょっと高い位置に小さな帯状のものがついていただけ。
背もたれとして必要なら、昔からついているはず。

じゃあ、なんのためにあるのかというと、主に、

 足をぐっと蹴りだしたときに、お尻がうしろにずれないようにするため

だと思う。

スポットプレイなどでキビキビとボートを動かしたいときには、ちょっとタイトにする。
そうすると膝や足の裏がしっかりボートと密着するので、身体とボートの間の遊びが小さくなる。

だから踏んばらずに普通にパドリングしているときには、バックベルトに背中がついているかどうか、くらいのかんじ。
ちょっとゆるみがあったほうが、腰を大きく動かせる。
普段からぎゅうぎゅうに密着しているとしたら、身体の動きが制限されているかも。

特に高さは注意したほうがいい。
おへその後ろあたり(腰のくびれあたり)の高さだと腰を痛めてしまうので、注意が必要。
上体が後ろへ動こうとするのをバックベルトが抑えてしまうので、背骨の一部に負担がかかるからだ。
この高さだと上体の可動範囲が狭くなって、ロールも上がりにくくなる。

バックベルトの高さは、腰骨の一番出っ張った部分よりも下の位置。
ロールが上がりにくいひとは、バックベルトの高さを調整してみるといいかもしれない。