カヤックで水の上へ漕ぎ出すと、日常では見られない景色があります。
水面近くにあるものに近寄れるので、思わぬ発見があります。
秋は、ハリガネムシの季節。
参加者が何やら水の中をちらちら見ていました。
訊くと、何やら泳いでると言うんです。
水面を覗いてみると、20センチメートルの紐状のものが泳いでるのを見つけました。
ハリガネムシでした。
泳ぎ方は、蛇に似ています。
しばらくすると水中へともぐってしまいました。
ハリガネムシは、昆虫などの体に寄生する生物です。
そもそもカマキリたちは、水には近寄りません。
水に入るのは、身体の中でハリガネムシがコントロールするからなのだそうです。
そういえば、なぜか湖の真ん中でカマキリによじ登られたことがあります。
あれはハリガネムシが体から出たあとの、正気に戻ったカマキリだったのね。
ハリガネムシは、秋になると昆虫から這い出して、水の中で卵を産み、かえった卵はカゲロウやユスリカなどの体の中にはいり、それを食べる肉食昆虫(カマキリやカマドウマ)などに最終的に寄生します。
肉食昆虫の中で生きたあとは、寄生している昆虫を操って水へと向かわせるのだそうです。
水に入った大型の昆虫は魚のえさになり、魚が生きることで、藻の発生も抑えられる。
ハリガネムシの存在が、そんな生態系の大事な役割をしてるんですね。
おもしろいー。
詳しくは「えげつない寄生生物」