岩をよけるには。その2

 岩があるのがわかったら、早めの行動で回避。

はじめに通るべきルートがわかっていて、イメージしたルート通りにボートを動かせれば、慌てずに下れる。

でも、”イメージした通りに”って状況は、流れが速くなったり、複雑になるほど難しくなる。
特にボートのコントロールに慣れていない初心者にとっては。

下りながら曲がってしまったとき。
思ったよりも速くボートが進んで、次への対応が遅れがちなとき。
慌ててしまう。

曲がったときをイメージしていないから。(=曲がるはずがない)
うまく行けない状況をイメージしていないから。(=まっすぐにすすむはず)

ボートが期待通りに動いてくれないと、頭が真っ白になる。

つるんとした鏡のように止まった水の上を行くなら、自分の動かしたとおりにボートが動いてくれるかもしれない。
でも、流れの中は、モヤモヤしてたり、ストンと落ちていたり、もわっと湧き上がっていたり、するりと流れていたり。
そんな変化に富んだ動きの境目には、段差があったり。

だから流れに慣れている人は、100%動かせるとは思っていない。
もちろん、狙い通りのルート、狙い通りの当て方、狙い通りの着水・・はあるので、いいイメージを持ちながら漕いでいるんだけど。
水の上に出てみないとわからない動きがときどきあるので。

曲がるかも。
とどまるかも。
乗り上げるかも。
流されるかも。
岩に近寄るかも。

回数をこなしていくと、「期待通りにはいかない」を学習していく。
そのときとっさに動けるかどうかは、不測の事態が必ずあるってことを織り込み済みだからなのだ。

***

・・じゃあどうやったら対処できるの?

一番大事なのが、視線。

今自分がどこにいて、どこへ向かっていきたいのか。
視線をぶらさなければとっさに判断ができる。

頭がまっしろになってしまうのは、ボートの先端を見てしまったり、視野が狭くなるから。

自分のいる位置がわからない。
どこへ向かっていけばいいのかわからなくなってしまう。

現在地と目的地さえわかっていれば、多少ラインがぶれても、もとに戻れる。
自分を俯瞰して見られるかどうかだ。

だからグラビティの講習は、「見る」練習を初日から意識して練習している。