視野を広くする練習方法

慣れていないうちは、近くを見るひとが多いです。
バウ(ボートの先端)やパドルなどが気になってしまうんですね。

うつむいて歩いていると、見当違いなところへ行ってしまいます。
それと同じように、うつむいて漕いでいると、フラフラと振られてしまって思うように動かせません。
特に初心者は、バウの向きが不意に変わったときに、バウを目で追ってしまいがちです。

近くを見がちなひとが流れに出ると、静水以上にボートの向きが振られやすくなります。
前もって状況判断ができないからです。

例えば、車の運転。
直前の車のブレーキランプだけを見ていると、ブレーキのタイミングが読み取れません。
いきなりブレーキランプがついて、急に止まってるように感じます。
二台くらい先の車のブレーキランプも視野に入れると、全体の流れから、そろそろ前の車がブレーキを踏みそうだな、と予測できます。

カヤックも同じように視野が広くなると、広い範囲の流れや、これからどんなふうにボートを動かすかをイメージしやすいので、「いきなりやられる感」が減ってコントロールしやすくなります。

今回の講習は、視野を広げる練習をしました。
具体的には、こんなかんじ。

<視野を広くする練習方法>
① 目の高さで片手を伸ばして、親指を立てます。
② 親指を大きく左右に動かして、それを目で追います。
③ 今度は、正面を見ます。
④ ②と同じように親指を左右に動かしますが、今度は目で追いません。
 視界の隅っこで親指の動きを見ます。

⑤ 次に静水で練習します。まずは目標物を決めます。
⑥ 目標物に目玉を向け続けて、ボートを左右に曲げながら進みます。
 このとき、バウは視界の隅っこで見るようにします。

⑦ この練習をしてから、川下り。
 目玉は、入りたいエディや流れに向けます。
 ボートの向きは、視界の端っこで。

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今回参加のKさん、見る練習の後はボートのコントロールがラクにできるようになりました。
流れの複雑なところで振られても、戻せるようになりました。
エディを狙うときには、適切な角度を作りながら近寄れるようにも。

Kさんの漕いでみた感想は、
 「広く全体的にとらえられるので、どう通っていくのかイメージできるようになった。」
 「近寄る角度は考えなくても感覚的にできた。」
ということで、気持ち的にも余裕が出てきました。

久しぶりの流水だったので、はじめはドキドキでしたが、後半は慣れてのびのびと漕げるようになりましたね。
次回はもっとキュッとエディに入れるように、精度を上げていきましょう。

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8/10(土)~12(月)に、中Aクラス以上の方を対象とした「夏のカヤック合宿」を予定しています。
漕いで、食べて、飲んで、寝る。漕いで、食べて、飲んで、寝る。
の3日間です。
ロールができなくてもOK。ロール初心者でもわかる練習をします。
遠方からも参加しやすいように、初日は昼に集合です。
基本を見直したい中Bクラスレベルのひとにも、おすすめの内容です!